経済的な事情や成績などにかかわらず「すべての子どもたちに留学を!」というミッションを達成するためHelloWorld株式会社が2021年から設立した「まちなか留学基金」。設立以降この1年で、多くの方々にご寄付をいただいております。
異文化体験を望む次世代の子どもたち誰もが平等に機会を得られるようにー。
今回は、基金設立直後に第一号の寄付者となったスペースマーケット取締役・弁護士の石原遥平さんにインタビュー。基金への思い、海外体験やまちなか留学がなぜ今重要か。サービスとしての可能性についてお聞きしました。
後編「スタートアップが溢れる今だから社会的『いいね』が大切」と共にご紹介します。
※インタビューは新型コロナウイルス感染予防の観点からリモートで行われました。
ふるさと納税じゃなく まちなか留学基金に
Q まずはじめに「まちなか留学基金」への寄付を決めた理由を教えてください!
もともと寄付っていう文化が日本にはない。海外では一般的ですよね。日本にも、もう少し社会にお金がまわる仕組みがあるといいなと思っています。
寄付をしたのは初めてです。これまではピンとくるもの(寄付の対象)がなかった。
クラウドファンディングという寄付の形は日本でも広がりましたが、ファンドを募る事業者がやることが多くて大変。
純粋な寄付も、ふるさと納税しかない。でも、そのふるさと納税も「お得だからやる」雰囲気になっている。
本当にいいなと思うプロジェクトに寄付をする、日本でもそのような流れができるといいなと思っているところに、基金の話がありました。
「本当は留学したかった」
Q まちなか留学基金は海外留学や国際交流をしたい次世代に地域での国際交流の機会を提供する基金です。ご自身の海外体験を教えてください!
一番最初の海外は中学生。出身の群馬県の事業で2週間、アメリカのシカゴに行ってホームステイして帰ってきました。
「すごくおもしろかった」という印象が残っています。
学生の頃の体験は、それだけで本当は留学したかった。
大人になってから2019年からアメリカのカリフォルニア大学バークレー校で3ヶ月半くらい客員研究員として研究する機会をもらいました。
すごく短い期間でしたが、アメリカ生活を経験して「すごくいいな」と思いました。
「ダイバーシティは将来の分かれ道」アメリカ生活で得た実感
Q アメリカで「いいな」と思ったポイントはズバリなんでしょうか。
いろんな人種がいて、いろんな考え方の人がいる「ダイバーシティ」。それは日本で感じることはあまりないものですよね。
子どもたちは3歳、生後3ヶ月でしたが、将来的にも子どもたちには海外と日本を行き来する、世界を回っていけるといいなと思いました。
日本で生きていると、ダイバーシティを求められている実感が少ないですが、国際的なビジネスの世界で考えると「ダイバーシティ」「インクルージョン」は今や当たり前です。例えば組織の役員の構成などもそう。
日本でも、子どもたちが大学生になる頃には当たり前、自然なことになると思っています。時代的に「ダイバーシティ」は重要。
アメリカの現地で活躍している日本人はバイタリティがあって刺激されました。
チャンスをチャンスと思えるかどうかとか。
あの環境で育つと意識が変わるはずとも実感しました。
息子はいまだに「アメリカ行きたい」と言う。
滞在中は学校には通わず、家で教育をするホームスクールでしたが、いろんなところに旅行も行ったので楽しかったんでしょうね。
時代の流れから、ダイバーシティ体験の重要性を説いた石原さん。ご家族との短期留学で子どもたちが刺激を受ける姿を通して、海外体験の重要性を語ってくれました。体験の機会を広げるための基金にも賛同をいただき、次世代の子どもたちのチャンスを広げたいという思いが伝わってきます。
インタビューの続きは後編「スタートアップが溢れる今だから社会的『いいね』が大切」へ。
石原遥平(いしはら・ようへい)
2016年から株式会社スペースマーケット、一般社団法人シェアリングエコノミー協会に参画。ビジネススキーム策定に企画段階から関与しつつ、自治体や企業提携交渉、資金調達、内部監査、上場審査対応等も担当し、2019年12月に東証マザーズ上場を担当マネージャーとして経験。2020年4月に事務所に復帰してからは数多くのスタートアップに対して助言を行う。2021年3月より株式会社スペースマーケットの取締役監査等委員(監査等委員会議長)に就任。
2018年 内閣府消費者委員会「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」委員。総務省・経産省「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」オブザーバー(2019年~構成員)。内閣官房日本経済再生本部・法務省「ODR活性化検討会」構成員(2019年)。