「まちなか留学のすゝめ」日本にいながら多文化共生体験 その魅力とは

ABEMAのニュースチャンネル、「Abema Prime (#アベプラ) 」 にて、まちなか留学をご紹介いただきました。ご紹介いただいた岩澤直美さんは、株式会社Culmony CEO、東京大学大学院 博士課程で研究をし、異文化間教育に尽力されています。

今回は、ご紹介いただいた内容の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

アベプラとは

キャッチコピーは「みんなでしゃべるとニュースはおもしろい」。これまでの常識や価値観が大きく変わる中、今の時代らしい新しいネット言論に挑戦します。レギュラーメンバーは60人。色んなバックグラウンドをもつ論客たちと多様で新しい議論をお届けします。

【番組情報】
2023年8月8日放送
MC : 田村淳
岩澤直美(株式会社カルモニー代表)
佐々木俊尚(ジャーナリスト)
てぃ先生(現役保育士/育児アドバイザー)
田中萌(テレビ朝日アナウンサー)
司会進行 : 平石直之(テレビ朝日アナウンサー)
ナレーター : 新井里美

日本にいながら国際性思考を高める!

平石さん「今日もやってきました!どうしても伝えたいことをプレゼンしていただく”わたしのニュース”です。今日は岩澤さんです。お願いします。」

岩澤さん「今日わたしがお話ししたいことは、日本で留学体験をしようというお話しですね。(このコーナーの前にも)海外に行くお金がなかなかないだとか、経済的なお話もありましたが、日本国内で留学体験ができる活動を支援しているので、ご紹介させてください。」

「普段、わたしは多文化共生に向けての異文化交流の体験やプログラム開発・研究を行っているのですが、こちらのプログラム(まちなか留学)が今、沖縄で拠点を置いて、国内あるいは沖縄の子たちを対象に、いろんな国を旅できるような体験を国内で実施しているんですね。


日本に住んでいる外国人のファミリーに週末泊まりに行ったり、もしくは夏休み泊まりに行ったり。そういうことを通じて日本と海外の生活環境の違いを体験し、(異文化について)対話を促していくようなプログラムが行われています。


わたし自身が担当しているのが、まちなか留学を体験するだけで終わらないように、事前活動や事後活動を通して、対話を促していくためのプログラムの開発です。

どういう風な会話をしたらより相互理解が深まるんだろう、あるいは偏見がなくなっていくんだろう、今後もっと留学したいって気持ちを高めていけるんだろう、そういったことを高めるためのプログラム開発を行っています。

実際に参加した方からのアンケートでデータをとっているのですが、英語を話したい欲が高まっていたりだとか、国際思考性と言われる多文化共生に向けた資質というのがどんどん伸びているというデータも徐々に出始めています!これからこういう環境が国内でも増えてくると、楽しい多文化共生の開発が進んでいくのかなと思いながら応援しているものの1つです。」

事前・事後学習を通じて学びを深める!

平石さん「淳さん、どうですか?」

田村さん「ぼくも今、6歳と3歳になる娘が2人いるんですよね。実は昨日までラスベガスに行っていて、やっぱり娘を連れて行きたかったなって思うんです。

ぼくが感じるよりも、(娘の方が)何倍も何十倍も異文化のことを吸収して、自分が生きてる場所でまたそれをアウトプットできるだろうなと思って。

でも、(まちなか留学なら)国内でこの異文化交流ができるってすごい羨ましいですね!あとで資料をいただきたいです。」

岩澤さん「ぜひぜひ!沖縄だけでなく、関東でも実施されていますよ。あと、何が面白いって、留学生同士であとで集まって『自分の家ではこんな体験をしてきたよ』『こういう風に感じたよ』ってことを共有したりもするんですね。

今、(まちなか留学の事後学習中の)写真が写っていますが、例えば、家の間取りの話だとか、生活の環境の違いだったり、食事の違いだったり、感じたことの違いっていうものを、留学生同士で交流できるっていうところにもすごく価値があると思っています。こういったプログラムにわたしも参加したかったなあと思いながら支援をしています。」

国内で異文化を体験できるよさ

平石さん「なぜいろんな国の人たちの家に転々とするのですか?同じところに長く深く滞在することがあってもいいような気もするんですが、そこにこだわった理由はなんなんでしょう?」

岩澤さん「もちろん、1つの環境にじっくりいくっていうことは海外の留学だとしやすいですが、転々とできることで、『自分はこういう国に興味をもっていきたいな』という気づきがあったり、対話をいろんな場所でしていくことで、柔軟性を身につけていくことができます。国内の短期間のホームステイだからこそ、そういった面白みがあると思います。」

平石さん「てぃ先生、どう思いますか?」

てぃ先生「日本でのいわゆる言語学習とかって、言語だけ学んで『相手の文化を理解しよう』という部分っておきざりになっちゃってるじゃないですか。だから、結局向こうの国に行ったら、言葉は喋れるけどぜんぜん礼節もなにもわきまえてないから、悪く言われたりしてしまうことがあると思います。

ただ、じゃあ実際に海外に行けるかっていうと時間とお金もかかるものなので、やっぱり難しいですよね。そういう意味では、関東でも沖縄でも異文化を体験できるっていうのは素晴らしいなって思います。」

岩澤さん「これまで学校では”3F”と言われる『ファッション・フード・フェスティバル』をやっておけば、異文化理解できたっていう風に思われがちだったんですね。だけど、それだけじゃ不十分で、ステレオタイプの助長になってしまうからこそ、実際に異文化を体験をして、対話を促す方法をとりえたものがすごく価値のあるものなのかなという風に思っています。」

平石さん「佐々木さん、どう思われていますか?」

佐々木さん「知らない文化を知ることはとても大事なので、本当に素晴らしいと思います。でもね、もう1つ、ぼくが付け加えておきたいことがあるんですよ。

日系のイギリスの作家、カズオイシグロさんって人がいますよね。彼が『縦の旅と横の旅』って言葉を言っていて、横に移動して知らない世界・他の国のことを知るのも、とっても大事なんだけど、格差が進んでいるこの社会の中では、同時に縦を知るということも大事であると話しています。

格差の下の人は上の方の人を知る、上の方の人は下の方の人を知る。そういうのも多文化として考えて行きたいなと個人的には思っています。」

田村さん「たしかに、同じ国、例えばアメリカに行ってもハイクラスの人と貧困層の人とでは考え方が違うんですもんね。」

佐々木さん「逆にアッパーミドルとかの人たちは世界中どこ行っても同じような生活をしているって言われているからね。」

平石さん「多拠点生活さすがですね。それも(多文化共生に)関係していますね。それでは、まちなか留学ということで、岩澤さんにお話をうかがいました。ありがとうございました!」

実際の放送の様子もぜひご覧ください。