経済的な事情や成績などにかかわらず「すべての子どもたちに留学を!」というミッションを達成するためHelloWorld株式会社が始めた「まちなか留学基金」。設立以降この1年で、多くの方々にご寄付をいただいております。
設立直後に第一号の寄付者となったスペースマーケット取締役・弁護士の石原遥平さんにインタビュー。今回は、スタートアップが台頭するなか企業にとって大切なこと、スタートアップ企業の社会的役割についてお聞きしました。
※インタビューは新型コロナウイルス感染予防の観点からリモートで行われました。
インタビュー前編 ダイバーシティ体験は未来の分かれ道【石原遥平さん】
ビジョンがあれば社会に新しい価値を社会に提案できる
Q 沖縄で始まったまちなか留学HelloWorldに寄付を通してご支援をいただきました。HelloWorldは今年沖縄支部が設立されたシェアリングエコノミー協会にも加盟しています。石原さんは協会の事務局も勤めていらっしゃいますが、シェアエコって何でしょうか?
「シェアリングエコノミー」とはそのモノ・コトや体験を利用する時だけ、対価を支払って利用するという考え方です。所有ではなく、その体験の時間やその時のみという考え方。
HelloWorldのまちなか留学もシェアリングエコノミーの一つです。
現代は消費の形はモノからコトへ。有体から無体へ。体験へシフトしています。
まちなか留学もユーザーはまちなか留学をする時だけ海外体験できて、事業者はその対価をえて、地域社会にも良い効果がある。
Win-WInの可能性が高い事業です。
シェアエコ形態のビジネスは次々、創業されています。
そして新しいビジネスは社会に新しい価値観や枠組みを提供します。
まちなか留学にも地域で叶える国際交流というビジョンとミッションがある。
その大義があれば、社会に新しい仕組みを提案できる可能性があります。
Q 沖縄でもシェアエコ事業者の連携をつくろうとシェアリングエコノミー協会の支部が立ち上がりました。シェアエコ沖縄への期待はいかがですか?
全国各地いろんな支部の人と話しているが、一番勢いがあるのは沖縄だと感じています。
沖縄は若い。やる気もあって、活発なやりとりがある。
シェアエコが沖縄で成功できれば他の自治体にも横展開できると考えています。
沖縄ほど離島県で地理的なハンディキャップを抱えている地域はありません。そういう意味では沖縄で期待しています。
まちなか留学基金は「ゼブラ企業としての新たなモデル」
Q HelloWorldは創業1年を過ぎたばかりのスタートアップ企業です。まだ産声を上げたばかりの企業がまちなか留学基金のように「基金」という社会的な資産を形成することについてはどう考えますか?
率直にいいことだと思いました。スタートアップについては認知度も上がってきて、いろんな企業が出てきています。一部にはベンチャーキャピタル(VC)からの「資金調達」に重きが置かれがちなマネーゲーム的な動きもありますが、個人的にはもう少し社会性のあるSocial Goodな仕組みが必要だと考えています。資本主義に巻き込まれるのではない、サステナブルな仕組みが求められているということです。
エンジェル投資のような株式型の投資で成り立つのではなく、利益と社会貢献の両立を目指すゼブラ企業には、基金というのはすごくマッチするやり方。参考事例になるのではないかと期待しています。
ふるさと納税にお金を出すなら、基金も選択肢に。海外のように「寄付」の考え方が広がっていけばと思います。
2回に分けて紹介した石原さんのインタビュー。まちなか留学のファンとしても、法律家でスタートアップやシェアエコの専門家としても、HelloWorldの励みになる言葉をいただきました。
まちなか留学の関東エリアでの展開にも期待し「息子と利用して異文化体験の機会を得たい。沖縄とアメリカにも行きたい」とのお言葉もうれしかったです!HelloWorldとして「まちなか留学基金」をさらに広げて、多くの子どもたちに異文化体験の機会を提供していきたいと思います!
石原遥平(いしはら・ようへい)
2016年から株式会社スペースマーケット、一般社団法人シェアリングエコノミー協会に参画。ビジネススキーム策定に企画段階から関与しつつ、自治体や企業提携交渉、資金調達、内部監査、上場審査対応等も担当し、2019年12月に東証マザーズ上場を担当マネージャーとして経験。2020年4月に事務所に復帰してからは数多くのスタートアップに対して助言を行う。2021年3月より株式会社スペースマーケットの取締役監査等委員(監査等委員会議長)に就任。
2018年 内閣府消費者委員会「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」委員。総務省・経産省「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」オブザーバー(2019年~構成員)。内閣官房日本経済再生本部・法務省「ODR活性化検討会」構成員(2019年)。